<藤野美由紀 連載企画 第3回>FUNK&SOULから演奏上達のヒントを探そう!〜 FUNKジャムセッションの定番「The CHICKEN」

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<藤野美由紀 連載企画 第5回>FUNK&SOULから演奏上達のヒントを探そう!〜FUNK SAXの女王キャンディ・ダルファ― ライブレポート~

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皆さんこんにちは!今回はFUNK&SOULの素晴らしさを、教則要素多めで語っていきたいと思います。

近年では多くなった「FUNK」のジャムセッション。ひと昔前まではジャムセッションと言えば、殆どがJAZZでした。その中でポツポツと、カンタロープ・アイランド、ザ・チキン、ウォーターメロンマン、マーシーマーシーマーシーなどのFUNKのジャム曲があった・・・と言う感じです。

FUNKのジャムセッションが多くなった現代でも、これらの曲はよくリクエストされ、演奏されます

ここに挙げた楽曲の殆どのビートはファンク(8ビート、16ビートなど)ですが、コード進行は曲の中でどんどん転調されるモードと呼ばれるモノも多く、コード1本・スケール1本でアドリブ出来るかと思いきや、一筋縄ではいかなかった・・・と言うパターンに悩まされる方も多いです。

「ザ・チキン(The CHICKEN)」を取り上げてみましょう!

「チキンやろうぜ!」「チキン、出来る?」この言葉がジャムセッションで飛び交う位なので、出来る様になった方が良い楽曲の1つです。
この曲は、ベーシストのジャコ・パストリアスが取り上げたことによって有名になったので、ジャコが作曲したように思われる方も多いのですが、実は前回の連載(第二回目)で紹介したJB’sのメンバーであるテナーサックスのピーウィー・エリスが作曲したものです。

アドリブソロは少し難しいですが、初心者の方はテーマを吹くだけでも充分参加出来ます!

テーマのワンポイントアドバイス!

下記の写真の楽譜は、テーマの中の「キメ」の部分です。ここは同じ事を演奏する「ユニゾン」。外してしまったら目立ってしまいます。ここはしっかり練習しましょう!
大切なのは、この16分休符です。この休符を「ス」で歌うと、より休符が強調されてグルーヴ感が出ます!音符の部分は「タ」、休符は「ス」で実際に声に出して歌ってみよう♪


さて、アドリブのお話を添えておきます。ここではアルトサックスのキーで説明します。

この楽曲でアドリブする際によくあるのが、この曲のキーがGだからと、Gブルーノートスケールだけで1コーラス分アドリブをされる方が多いです。しかし、楽譜を見てみると、コードはどんどん進行していますので、1つのスケールだけでは、実際には対応しきれていないのです。
コードに沿ったアドリブをするには、下記の写真のような音使いでアドリブを出来るようにしましょう。
そのための1ステップとして、これらの音を音源に合わせて吹いてみましょう!カラオケ音源はYouTubeで「Chicken karaoke」(backing track)で検索するとたくさん出てきます。i real proにも有りますし、探してみてください。
コード進行とアドリブで使用されるスケールを提示しておきますね(アルトキー)

G7=GブルーノートスケールかGセブンススケール
C7=Cセブンスケール

B7,E7の部分は1小節ずつ動いているので、スケールではなく、まずは次のようなコードトーンのみで対応してください。
B7=シ レ♯ ファ♯ ラ
E7=ミ ソ♯ シ レ
A7=Aセブンスケール

これらの音遣いを、まずは音源に乗せて吹ける様にしてください。
今回はFUNKのジャムセッションで必ずと言っていいほど取り上げられる楽曲を解説してみました!
絶対に制覇した方が、楽しい音楽ライフを送れると思いますので、テーマもアドリブも頑張ってやっていきましょう!

今回のおススメのアイテム

梅雨の時期に入ってまいりました。演奏した後のマウスピースお掃除は必須!もちろん梅雨の時期じゃなくても必要な事ですが、特に湿気が多いこの時期は、菌の繁殖を防ぐために念入りに行なうと良いでしょう!
演奏の後はこのマウスピースクリーナーをティッシュに染み込ませ、しっかり汚れを拭き取って下さい。
楽器もご自身も、健康維持を!

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Funk Soulをサックスで唄う「藤野美由紀」氏による参加型サックス・ワークショップ。初心者から上級者まで、どなたでも役に立つ、目から鱗のアドリブ練習法が満載です!
ご興味のある方は、以下のリンクにて詳細を確認できますので、ぜひご覧くださいませ。

これまでのお話し

この記事を書いたのは・・・

藤野 美由紀(ふじの みゆき)

FUNKY SAX PLAYER。

FUNK,SOUL系を中心とするサックス奏者。
自身のバンドと、音楽プロジェクトや、サックススクールを運営。
CDリリースや出演、スタジオワーク、音楽関係の本の制作や執筆など。
【Candy Dulfer Master Book】【Funk&Soul】【Disco&Soul】の著者

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