リード楽器奏者にとって演奏する上で必ず必要であり、音色を左右するリード。
今回は、基本的なリードの削り方をご紹介いたします。削り方や仕上がりの好みには個人差がありますので、
あくまで一つの目安として参考にしていただき、実際に行う際は、少しずつ慎重に調整してみてくださいね!
なぜ「リード」を削って調整するのか
一般的に、市販のリードは工場出荷のままでも演奏できますが、奏者の好みや楽器・マウスピースとの相性によっては
「やや硬く感じる」「音域によってムラを感じる」といった個体差が気になる場合があります。
また、使用していく中で、リードが乾いたり水分を含んだりを繰り返すことで、表面に細かい凸凹が出てきてしまいます。
これを奏者の吹き方・楽器・マウスピースに合わせて、「鳴りやすく・コントロールしやすく」整えるのがリード調整です。
ただし削りすぎると、「音が薄くなる」「寿命が極端に短くなる」ため少しずつ削るのが鉄則です。
リードの各部名称と役割

| ティップ(先端部) | 振動のスタート地点。鳴りやすさ・レスポンスに影響 |
| ハート(中央の厚い部分) | 音色の芯、抵抗感、安定感を決める中心部分 |
| レール(両サイド) | 音色の明るさ・暗さ、反応のしやすさに影響 |
用意する道具

①やすりなどの削る道具
※刃物や工具を使用する際は、必ず安定した場所で作業し、指先を切らないよう十分ご注意ください※
②削りカスをふき取る用のティッシュやクロス
③リードを湿らす用の水
①のリードを削る道具については、こちらの記事でご紹介しておりますので是非ご参考にしてみてくださいね!↓
削る前に行うチェック
1.リードを水で軽く湿らせる
ドライな状態と濡れた状態で硬さが変わるため、本番時に近い状態で確認します。
2.楽器にセットして吹いてみて、今の状態をチェックする
・出しづらい音域はどこか
・ピアニッシモで音がひっくり返らないか
・高音が鳴りにくい/低音がもたつく などをメモしておきます。
3.見た目のチェック
・先端(ティップ)の厚み:左右で差がないか
・サイド(レール)の幅:左右で極端に違わないか
・ハート(中央の厚い部分)の形:片側だけ厚い/薄い箇所がないか
削ってみましょう!
基本の削り方
リードは必ず平らな面を下にしてガラス板などに置くか、手で持つ場合は先端を決して指で押さえないようにします。
削るときは 「少し削る → 吹いて確認」を必ず繰り返して、一度に大きく削らないよう注意しましょう。
「硬いリード」を少し柔らかくしたい場合
【削り方】
①やすり(リードトリムペーパーなど)や、リードリサーフェイサーなどの削るアイテムを平らな場所に置く
②少し湿らせたリードの裏面を平らに当てる
③ティップの方向へまっすぐ、1〜2回だけ軽くシュッとスライドさせる
削り終わったら、低音〜高音までロングトーン、スケールを吹いて、反応が軽くなっていればOKです!
まだ硬ければ、同じエリアをもう少しずつ削ってみましょう。
リードのバランスは良いけど、硬い・弾力がない場合は、リードのかかとの角を少し落とすことも効果的です。
リード自体が少し短くなるので軽く感じるかと思います。



「高音が鳴りにくい/キツい」場合
高音だけがきつく感じる場合は、ティップの左右端〜レール付近をほんの少し削ります。
【削り方】
①ティップの先端すぐ後ろ、左右の角あたりをやすり(スティックタイプがおすすめ!)を使って軽く数回こする
②高音中心に吹いて確認する
※削る際は左右の削る量を必ず揃えるようにしましょう。


「低音が重い/立ち上がりが鈍い」場合
低音のレスポンスが悪いときは、ハートの外側〜レールにかけてを少し削ります。
【削り方】
①ハートの端(中央よりやや外側)からレール方向へ斜めに、リードの中腹あたりを中心に軽く撫でるように削る
②低音のロングトーン、スラーで確認する
※削りすぎると音がスカスカになるため、「1〜2往復ずつ」を目安にしましょう。


☆削り位置まとめ☆
| ティップ(先端部)を削るとどうなる? | 「音の出だし」「小さい音の出しやすさ」「音の軽さ」に効きやすい 削りすぎると:音が薄い/弱い感じになりやすい |
| ハート(中央の厚い部分)を削るとどうなる? | 「音の太さ」「しっかり感」「抵抗感(重さ)」に効きやすい 削りすぎると:音が細くなり、全体的に頼りない感じになりやすい |
| レール(両サイド)を削るとどうなる? | 「明るさ・暗さ」「反応のしやすさ」「軽さ」に効きやすい 削りすぎると:音がぼやけたり、音程が不安定になりやすい |
調整後のチェックポイント
「少し削る → 吹いて確認」を必ずしながら調整していきますが、確認の際は以下に注意してみましょう。
1. 軽い息でも音がスッと出るか
2. ピアニッシモ〜フォルテまでコントロールしやすいか
3. 高音/低音で極端なムラやひっくり返りがないか
4. 長時間吹いてもすぐバテるような柔らかさになっていないか
よくある失敗と注意点
☆先端(ティップ)を強く押さえて割ってしまう
→ 持ち方・置き方に注意しましょう
☆左右のバランスが崩れて音程が不安定に
→ 常に「どちら側をどれくらい削ったか」を意識しましょう
☆ドライな状態で調整してしまい、本番で感覚が変わる
→ 調整は必ず、軽く湿らせた状態で行いましょう
まとめ
皆さんいかがでしたか?
リードは「削って調整」することで、自分の吹き方に近づけられますが、削りすぎはNG!!少しずつ慎重に試奏を繰り返すことが大切です。
リードの調整に慣れるまでは、新しいリードではなく使い古したリードで練習してみると良いかもしれませんね。
削ってしまったリードは元の状態には戻らないため、まずは失敗しても惜しくないリードで、変化の出方を確かめてみましょう!
削る前後で状態をよく観察しながら、 「自分にとってちょうどよい吹き心地」を探していきましょう☆
岩田屋福岡店 管楽器アドバイザー 田中 美織(たなか みおり)

クラシックサックスを専門に学んできた経験を活かし、プレイヤー目線でのご案内を心がけています。また、当店はクラシック楽器専門店で、管楽器技術者も常駐しております。
管楽器のお困りごとや楽器選び、メンテナンスのご相談など、どうぞお気軽にお声がけください。


