木管楽器は、楽器自体が木材でできている、タンポ・キィというような繊細なパーツがあるなど、
楽器を良い状態で保つためには、より湿気・乾燥に注意をしなければいけません、、、!
(ひどい場合は、管体が割れてしまうという事も・・・)
今回は、そんな湿気・乾燥対策に役立つアイテムや、そもそもなぜ対策が必要なのかを解説していきます!
木管楽器にとって「湿気」「乾燥」がなぜ大事か
それぞれの場合に、楽器がどのような状態になりやすいのかをまとめてみました☟
湿気が強すぎる場合(高湿度)
- 木部が水分を含みすぎて膨張
- トーンホールや管内の水分で、タンポがふやける・ベタつく
- キイの動きが鈍くなる
- 金属パーツのサビ・メッキ劣化が進みやすい
- カビ・臭いの原因になる
乾燥しすぎる場合(低湿度)
- 木が急激に乾燥 → 収縮して管体が割れるおそれ
- トーンホール周りの変形
- ジョイントの抜き差しが固く / ゆるくなる
- パッドが縮んで密着性低下 → 音漏れ・音程不安定
木管楽器にとっての「適切な湿度」の目安
| 理想的な範囲 | 影響 | |
| 湿度 | 40~60%(理想は45〜55%くらい) | 湿気が強すぎると「音がこもる」「メンテナンス周期が短くなる」など不具合に繋がる |
| 気温 | 15~25°C前後 | 急激な変化は楽器に負担がかかってしまうので、冬の寒い時期の楽器の吹き始めなどは要注意! |
日常での注意点
演奏後
‐スワブでしっかり管内を通す
‐キイ周りの水滴もペーパーで軽く取るようにしましょう
→ 吹いた直後は、管内だけでなくタンポ自体も湿っています。
この状態で密閉してしまうと、ケース内が「小さなサウナ状態」のようになり、タンポがふやけやすくなります。
タンポに直接水分を残さない
– サックス:パームキー、C#、低音側タンポなど、クラリネット:サムホール周り、上管ジョイント付近など
→これらの部分は、 クリーニングペーパーをキーの間に挟み、「軽く押さえて、すぐ離す」を数回繰り返して水分を吸い取るようにしましょう
※タンポや革を傷める原因となるので、こすらないように気を付けましょう
長時間連続で吹いたあとは、途中で一度スワブを通すようにすると、タンポに直接水分が溜まるのを防ぐこともできます。
また、冬場の屋外 → 室内など、急激な温度差の移動後は結露が出やすいので、こまめにスワブ+ペーパーで水分除去するようにしましょう
保管場所を見直す
■置き場所
– 直射日光が当たる場所は避ける
– エアコン・暖房の直風が当たる場所もNG
– 窓際・外壁に接した場所は温度変化が大きいので避ける
■部屋全体の湿度管理
– 40〜60%を目安に、加湿器・除湿機を使ってコントロール
– 梅雨〜夏:除湿寄り
– 冬:加湿寄り
→ ケース内だけでなく、「部屋の空気」を整えておくとタンポも傷みにくくなります。
季節ごとの注意点
冬場(乾燥シーズン)
– 部屋全体の加湿(加湿器)で40〜60%を目安
– 暖房の直風を当てない
– 吹き始めは特に急激な温度・湿度変化に注意
梅雨〜夏(高湿度シーズン)
– 除湿機・エアコン除湿を活用
– ケースの長時間放置に注意(たまに開けて換気)
– 調湿剤の天日干し頻度を増やす
「湿気」「乾燥」対策アイテム
湿度調整シート
湿気を吸収、または水分を放出し、ケース内の湿度を「適度な範囲に近づける」ことをサポートするシートです。消臭・防カビ効果もあるので、湿度調整とあわせて入れておくだけで一石二鳥。色の変化で使用状況が分かるように、「再生サイン」が付いていますが、どっちがどっち⁉となる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ブルーとピンクの2色でお知らせしてくれます↓
| ブルー | 乾燥 |
| ピンク | 吸湿 |

天日に干すことで機能が再生し、繰り返し使用できるので、「ピンクになったら天日干し」と覚えておけば問題無しです☆約1~2年使用したら新しいものと交換してくださいね。サイズもフルート用、クラリネット用、サックス・トランペット・トロンボーン用と3種類ございます。



モイスレガート
楽器ケース内の湿度を約40%~60%の範囲に保つことを「目安としてサポート」してくれるシートです。
(設置環境や使用状況によって、実際の湿度は前後します。)
有効期限は設置時より約2年間。
一度は聞いた事がある、若しくは既にお使いいただいている方もいらっしゃるかもしれませんが、正しい使い方できていますか?
もちろんケース内に入れておくだけで問題ありませんが、乾燥が続く時は蒸気でシートに水分を与えておく必要があるんです!水で濡らすのではなく、必ず蒸気で少量の水分を与えてあげて下さい。
こちらは、ピッコロ用、フルート用、クラリネット用の他に、リードケース用や名刺サイズ、サックス柄というようなかわいい生地もあるので、ぜひお気に入りの柄を見つけてみてくださいね☆


加湿・放湿してくれるアイテムであれば、ケース内に入れておくだけですが、「乾燥剤」を入れっぱなしにしておくと、冬の乾燥時期には必要以上に湿度が下がり、管体の割れやタンポの縮みなど、楽器にダメージが出るおそれがあります。
そのため、ケースに入れている湿度調整アイテムが「調湿タイプ」か「乾燥剤タイプ」かを、今一度ご確認いただくことをおすすめします。
まとめ
人が過ごしにくいと感じる環境は、楽器にとっても負担がかかりやすい環境であることが多いです。
バランス調整やリード選びなど、どうしても手間のかかる木管楽器だからこそ、湿度調整剤などのアイテムをケースに入れておくだけでも、日々のコンディション管理の助けになります。
もちろん、これらのアイテムを使えば調整が不要になるわけではありませんが、上手に活用しながら、大切な楽器をより良い状態で長く楽しんでいきましょう。
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岩田屋福岡店 管楽器アドバイザー 田中 美織(たなか みおり)

クラシックサックスを専門に学んできた経験を活かし、プレイヤー目線でのご案内を心がけています。また、当店はクラシック楽器専門店で、管楽器技術者も常駐しております。
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