クラリネットストラップ使っていますか?
サックスや一部マーチングの大型楽器では必要不可欠なもの──楽器ストラップ。首や肩にかかる負担を軽減させる重要なアイテムです。
ところがふと思い返してみると、あれ?クラリネットはストラップを使っていない人が多い…?そこでこの記事ではクラリネットストラップの必要性やメーカーによる違いなどを解説してまいります!
親指と上顎への負担が大きいのがクラリネット
クラリネットは右手親指と、マウスピースを咥えた際の上の歯で支える「二点支持」がスタンダード。ここにストラップを加えて「三点支持」へバージョンアップしたら負担が減って楽になるのでは?
※支持=支えるポイント(二点支持となると、二ヵ所で支える)という意味。
・・・という訳で、試してみました
クラリネット吹きあるあるですが、長時間演奏すると右腕から肩まで痛みが走るんですよね。ストラップを付けるだけで軽減するなら是非活用したいですね!
EMUL:EML-CLSTR01

まずは、EMUL(エミュール)!
商品紹介ページは<コチラ>

指掛けが固定されている楽器用に、アダプターが2種類付いているのが魅力的。指掛けはブランドや品番によって大きさが違うのでよりフィットする方を選べます。

指掛けが固定されている楽器用に、アダプターが2種類付いているのが魅力的。指掛けはブランドや品番によって大きさが違うのでよりフィットする方を選べます。

紐を止めるパーツが金属製な事も音の響きを止めない工夫がされている事もポイントですね。
さて、では実践。
ストラップ中央のパーツを上下に動かすことで、長さを調整・固定してくれます。たるまず・それでいて首が前に引っ張られすぎない位置を探して吹きましょう!

ネック部分も細身で演奏会用の衣装を着た時なども普段と変わらず使えそうです。
RICO:CCA01

続きまして、リコ。


リコはフック部に独自の形状を取り入れたことにより、演奏中に外れる危険性が低いのもポイント高め。

エミュール同様、リコもロゴの入った丸い部分を上下に動かして調整していきます。
B.AIR:BS-CL-PRO


バードストラップの特長は何といっても「カラーカスタマイズ」が出来る点!首に掛けるパッド・ブレードと呼ばれるパーツと、音響効果を高め気道確保もしてくれるV字プレート、ブレードを止めるクリンチ、それぞれのパーツを選んで組み立て出来るので色合わせでも楽しめます。
黒で統一されたセットの、V字プレートがプラスチック製の品番(BS-CL-STD)は、ストラップ初心者さんでもトライしやすい価格です。使ってみて「これは良い!」と体感できたら金属製のV字プレートを単品で買い足し入れ替えをすると、プロシリーズと呼ばれるもう一つ上のランクのストラップ(BS-CL-PRO)へグレードアップできるのも魅力的です。

breathtaking:LithePremiumII



最後にご紹介するのがこちら、ブレステイキング。バードストラップは首にかける部分が伸縮しましたがブレステイキングは紐部分が伸縮します。共通しているのはプレートを途中に通す事で気道の確保をしている点。また、ブレステイキングはSサイズからLサイズまであるので身長や体形にあわせてぴったりなものが選べます!
通常カラーは黒。限定カラーが出る事もあるので公式サイトは要チェックです。

ブレステイキングは、紐部分の伸縮具合を自分で調整できるのも大きな特長。プレートを挟んで上下で微調整が可能。演奏中に楽器を揺らして演奏したい方から微動だにせず音符に向き合いたい方まで、全演奏スタイルに対応できるのは注目したいですね。
ちなみに脇にある補助ストラップは「ゆるめ」が正解です。指が楽々入るくらいの長さにしてくださいね。
ストラップの真の効果!
解説を読むと「なぜストラップを使ってこなかったのだろう?」と首を傾げてしまうのですが、先ほどもチラリと出た『ストラップリングが楽器に装備されていない事』ともう一つ大きな理由が。それは『即座に・効果が・分かりにくい』という事。
サックスやマーチングの大型楽器ほどは重くないので、装着した瞬間に効果が出るというよりも、しばらく使用して三点支持で演奏するスタイルに慣れて来たころに、もう元には戻れない・・・という状態になっているかもしれません。試しにストラップを二週間付けてみてください。「クラリネットってこんなに重たかったんだ!」と驚き体験ができるはずです。
島村楽器では店頭でも在庫があればストラップのお試しが可能です。ぜひご自分の楽器を持って遊びにきてくださいね。お待ちしております!
この記事を書いたのは・・・
浅田(あさだ)

島村楽器Wind & Repair
管楽器上級アドバイザー