もうすぐ2024年も終わりですね…そこで2025年からは心機一転、マウスピースを変えてみるのはどうでしょうか!?
今回から連載企画として各楽器の定番マウスピースを紹介していきます。
第1回の今回は吹奏楽やクラシックサックスで定番のマウスピースを紹介します。
早速紹介したいところですが、まずは木管楽器のマウスピースの名称について解説していきます。
マウスピースの各部名称

- ①ティップオープニング
- リードの先端からマウスピースの先端までの隙間の幅のことです。狭いと息が入りやすく、広いとパワフルな音が出る傾向があります。
- ②フェイシング
- リードの先端からマウスピースとリードが接する点までの長さのことです。
- ③チェンバー
- 最初に音が共鳴するマウスピース内部の空間のことです。
- ④バッフル
- マウスピース自体の厚みのことです。
- ⑤ウィンドウ
- リード接地面の内部が見える窓部分のことです。
特に①ティップオープニングは吹奏感に大きく影響しますので、初めてマウスピースを購入する方はここだけでも注目してみてください!
それでは定番マウスピースについて紹介していきます!
H.Selmer S90シリーズ

吹奏楽やクラシックのサックスではド定番と言っても過言ではない?セルマーのマウスピース。その中でも大きくS90シリーズとS80シリーズにわかれるのですが、やや暗めの音で幅広いジャンルを演奏したい方には、S90シリーズがおススメ!
ティップオープニングの大きさにより「S90」の後ろの数字が変わるのですが、その中でも【180】と【170】のどちらかを押さえておけば安心です!
S90/180
合わせるリード:2.½ ~ 3
マウスピース選びに迷ったらまずはこれ!プロの奏者の方も多く使っています。パワフルな音色がお好みの方におススメです。

S90/170
合わせるリード:3 ~ 3.½
S90/180と比較するとティップオープニングがやや狭いので厚めのリードと相性がGoodです。柔らかめな音色が好みの方におススメです。

バリトンサックスなど大きなマウスピースを使用する際は、190や200といった少し数字の大きいものに薄めのリードを組み合わせると音に迫力が出ておススメです。
H.Selmer S80シリーズ

先述したS90シリーズよりやや明るめの音が特徴のマウスピースです。特に高音域が顕著で音が良く通ります。こちらはティップオープニングの開きによって「S80」の後ろのアルファベットと☆の数が変わります。最も定番なのはCで☆が1つのもの(ワンスター)です。
S80C☆
合わせるリード:2.½ ~ 3
サックスらしい明るめの音を出したい方はこのマウスピースを使用すると輪郭がはっきりして良いかもしれません!

H.Selmer Concept


2013年に新発売した、セルマーマウスピースの中では比較的新しい部類のマウスピースです。こちらはシリーズではなく1品番のみの展開となっています。
合わせるリード:3 ~ 3.½
チェンバーが円形になっているのが特徴で(S90/S80はチェンバーが四角形)、S90シリーズ以上にしっとりとした響きがします。今までS90を使用していた方は移行しやすいと思います。
クラシカルな音色になりますのでポップス系をメインで吹く方はS80シリーズ等の方が良いかもしれませんが、クラシックをメインで演奏される方には非常におすすめしたいマウスピースです。
Vandoren PROFILE AP3


クラリネットパートでは圧倒的人気のバンドレンマウスピース。実はサックスマウスピースもすごくいい!ということで、個人的にイチオシのAP3を紹介します。
合わせるリード:2.½ ~ 3
まずバンドレン製ということでバンドレンのリードととても相性が良く、低音から高音まで非常に良くコントロールできます。ティップオープニングは今回紹介したマウスピースの中で最も広いのですが、それを感じさせない吹奏感で初心者でも演奏しやすいです。
セルマー製のマウスピースと比較すると音に輪郭が出やすいため、吹奏楽の中でもポップス系の曲で特におすすめです。
終わりに
今回は吹奏楽&クラシックサックスの定番マウスピースを紹介してきました。
筆者は今回紹介したマウスピースを全ての使用歴があり、ソプラノはConcept、アルトはAP3、テナー/バリトンはS90を使用しています。
楽器の種類や機種によっても好みに合うマウスピースに違いが出てきますので、ぜひ色々なマウスピースを試してみてください!もちろん島村楽器でも試奏可能です!
次回はクラリネットの定番マウスピースを紹介予定です。お楽しみに!