<クラリネット>管楽器が割れる!?クラリネットの割れ対策!

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<クラリネット>管楽器が割れる!?クラリネットの割れ対策!

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みなさん、こんにちは!いきなりですが、管楽器って割れるって知ってましたか?
え?割れる?金属で出来てるのに?と思われる方も多いと思います。実は割れるんです…!おおよその管楽器は原材料は真鍮(ブラス)という金属で出来ています。ただそうじゃない管楽器もあるんです!
それがクラリネット。今回はそのクラリネットの割れについて書いていきましょう!

■そもそもクラリネットってどんな楽器?
■クラリネットが割れる!?
■手軽にできる!クラリネットの割れ対策!
■未然に防ごう!割れ防止アイテム!
■もし割れてしまったら・・・
■まとめ

そもそもクラリネットってどんな楽器?



クラリネットは木管楽器と呼ばれるシングルリード楽器です。楽器本体がグラナディラという硬い木材でできており、明るくあたたかい優しい音色が特徴的です。音域は全管楽器中最も広く、木管楽器の中で中~高音域を担当し、吹奏楽、ジャズ、ポップス、またアンサンブルからソロまで、あらゆるジャンルで演奏されています。学生時代に部活でクラリネットを演奏していた方も多いのではないでしょうか。

クラリネットが割れる!?



クラリネットが割れるとはどういったことでしょうか?クラリネットは楽器全体が金属ではなく木材でできているため、温度や湿度の変化に敏感です。いつも通りに吹いていると気付いたら『管体が割れている』ということがあります。特に気温が下がり空気が乾燥する冬は要注意です!ではなぜ楽器が割れてしまうのでしょうか。主な原因は「急激な温度と湿度変化」です。
クラリネットの木は基本的に高温多湿の時に膨張します。そして低温で乾燥している時に収縮します。
つまり寒い冬の日に楽器が冷えた状態で温かく湿った空気(息)を吹き込むと管内が膨張し、管外と管内で急激な温度変化が起こります。この膨張と収縮に耐えられなくなった時に「ピキッ」と楽器が割れてしまうのです。特に吹き込む息の影響を受けやすい上管の音孔(トーンホール)は割れが発生しやすいのでご注意を・・・。
じゃあ夏は大丈夫!・・・ではありません。夏は室内のエアコン等によって空気が乾燥しています。気温こそ低くはないものの、楽器本体が冷えて乾燥する条件は冬も夏も同じなのです。

手軽にできる!クラリネットの割れ対策!



では、割れないようにするにはどうしたらいいでしょうか。クラリネットの割れ対策をご紹介します!

水分をこまめに除去する!

とにかく水分を管内に残さない!こまめに水分を取る!これに尽きます。お気づきかもしれませんが、クラリネットは多湿に弱いです。水分が管内にたまっていると割れの原因になるだけでなく、タンポの消耗やバランスの崩れにも繋がります。管内はスワブを、タンポはクリーニングペーパーを使って、こまめに水分を取るように心掛けましょう。

演奏前に楽器を一肌ほどに温めましょう

温度と湿度の急激な変化を防ぐため、演奏前に楽器本体を人肌ほどの36度~37度ほどに温めて演奏を始めましょう。タオルや上着に包んだり、息をやさしくゆっくり吹き込んで楽器を慣らしてあげると、割れ防止に繋がります。特に外気温が冷たい冬や、夏の空調が効いた部屋での演奏などは必須です。

新品楽器は特に注意を!

特に新品の楽器は要注意です!まだ誰も吹いていない新しい楽器は、演奏自体に楽器本体も慣れていません。新しい楽器を演奏する際は、最初の2週間~1ヶ月ほどは「慣らし期間」とし、1日15分~20分の演奏時間にとどめましょう。慣れてきたら少しづつ演奏時間を伸ばしていきましょう。

未然に防ごう!割れ防止アイテム!

未然にクラリネットが割れるリスクを減らすおすすめのグッズをご紹介します!


▪Festi 湿度調整シート MOT-100S/PB1
ケースの中に楽器本体と一緒に入れてご使用下さい。楽器ケース内を、楽器に適度な湿度に調整します。湿度が高い時は湿気を吸収、湿度が低い時には水分を放出し、楽器に適する40%〜60%の湿度で安定させるように働きます。「再生シート」付きなので繰り返し何度もお使いいただけます。


▪WINDry WINDry 管楽器専用湿度調整剤
温度・湿度に弱い管楽器のための必需品!ケースにいれていつでも最適なコンディション!アンモニア臭を吸着し、加湿・除湿を年間を通じて行ってくれます。


▪モイスレガート クラリネット用 西陣織柄 楽器用湿度調節剤
楽器ケース内に入れておくだけで、長期間湿度を一定に保ってくれるシートです。湿気を吸放湿して楽器や楽器の音色の保持に役立ちます。高性能吸水高分子(ポリマー)を使用したシートで、各楽器ケース内の湿度を、長期間(開封時より約2年間)40〜60%に保ちます。

もしもクラリネットが割れてしまったら・・・



どんなに気を付けていても割れてしまう時もあります。もし割れを発見したらひとまず何もせずに修理に持っていきましょう。楽器が割れたまま演奏し続けると、割れがさらにひどくなり修理にお金も時間も掛かってしまいます。もし割れてしまってもちゃんと修理をしたら演奏には問題なくお使いいただけます。見た目もほぼ分からなくなる場合が多いです。割れを発見したらまずは演奏をやめて、焦らず楽器店に持っていきましょう。

まとめ

クラリネットは木材で出来ている楽器なのでどうしても外的要因が楽器の状態に影響しやすい楽器です。しかし、正しく付き合っていくことで、木材らしい優しく美しい音色を奏でることが出来きます。クラリネットはジャンルも多岐にわたり活躍する楽器です。正しい取り扱いやお手入れをマスターしてぜひクラリネットと永く上手に付き合っていきましょう。

この記事を書いたのは・・・

島村楽器アミュプラザ博多店

與田(よだ) 管楽器上級アドバイザー

 

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