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【イベント】「吹奏楽部フェア 2020」オリジナル吹奏楽検定<結果発表>

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2020年3月28日(土)~8月31日(月)の期間に「吹奏楽部応援フェア」のキャンペーンページで実施した”島村楽器オリジナルの吹奏楽検定”の回答集計結果を発表いたします。

普段聞きなれない素材や、各パートならではの問題、豆知識のように知っていないとわからない設問もあり、検定にチャレンジしていただいたみなさまの”平均点は64点”でした。

回答者の多くは管楽器経験者

趣味層の多いサックスを筆頭に、吹奏楽部でもパート人数の多いフルートやクラリネットが大多数を占めました。皆さんの所属しているクラブや団体のパート構成に近い比率ではないでしょうか。

回答者層1

半数以上は学生からの回答でした

社会人は年齢層がとても広いので別として、13~21歳の現役学生・吹奏楽部所属の皆さんに、多く参加していただき、うれしい限りです。このあとの回答にちょっとした解説を加えましたので、管楽器についてより詳しくなりたい方は、この記事を読んで得た知識を友達に自慢してください。

回答者層2


検定回答詳細

ここからは、検定問題ごとの回答の詳細と、筆者の知りうる限りの解説(諸説あり、一部どうでもいい内容を含みます)をお楽しみください。

問1

1問目は簡単な問題です。サックスもそうですが、フルートも管体は金属で出来ていますが木管楽器です。厳密に言うと管体が金属で出来ているかどうかでの分類ではなく”発音方法”が関係します。

唇を振動させた音を1本のつながった管体を利用して発音するものが”金管楽器”
なので、貝殻からできている法螺貝も実は金管楽器の仲間になります。

吹きこむ息でリードの振動をコントロールし、管体にある音孔を開け閉めして発音するものが”木管楽器”
フルートやピッコロは”エアリード”といって、リードの代わりに唇で空気を振動させています。
身近な楽器だとリコーダー、和楽器だと尺八も木管楽器の仲間です。


問2

クラリネット、サックスは1枚のリードを振動させるシングルリード。ダブルリードの楽器は、1枚のケーン(リードの材料)を舟形に整形して二つに折り込んだ部分を、リードカッターで吹き口を切断・整形して2枚重なったリードを作成します。

舟形ケーン画像

和楽器の篳篥(ひちりき)もダブルリード楽器で、葦(あし)から作った廬舌(ろぜつ)を振動させて発音します。オーボエも篳篥(ひちりき)も祖先は同じで、チグリス・ユーフラテス文明の古代ペルシャで生まれた楽器が起源といわれており、その後東西に分かれて伝わったものが、伝わった先の国々で現在の姿に形を変えました。


問3

設問画像

③で「ヴィブラフォン」と「グロッケン」で迷われた方も多かったはず。「イラストでは判断できないよ」「いや鉄琴は全部グロッケンだろ」という方もいたかもしれませんが、明確な違いがあります。どちらも金属製の鍵盤を持つ楽器ですが、「ヴィブラフォン」には金属製の鍵盤の下に音を共鳴させる長いパイプがついています。また共鳴パイプに取り付けたファンで空気を送り込み、ヴィブラート音の速度調整ができる楽器です。

ちなみにグロッケンはコチラです。

※一部グロッケンにも、スタンド付きで短い共鳴パイプがついているものもあります。


問4

こちらはよく使われる用語なので常識ですよね。
曲目によっては、合奏中の待機時間が長いパートの場合は、別の意味で「落ちる」”居眠り”しまう部員もいるのではないでしょうか。くれぐれも居眠りして、大切な楽器が手元から「落ちる」事のないよう気をつけてください。

ちなみに筆者はノリが良すぎて「揺らさないで」とよく注意されました。「揺れる」とはJAZZ特有の音楽的躍動感で「スウィング」ともいわれます。


問5

フルート Fl 、オーボエ Ob は、わかっている方も多かったのではないでしょうか。

③のピアノは英語スペルで”Piano”なので"Pf"の”f”って何?と思われるかもしれませんが、「ピアノ」は本来の正式名称ではないことと、歴史的に「ピアノフォルテ」や「フォルテピアノ」と呼ばれていたことに由来します。音楽記号のP<ピアノ>(弱く)、f<フォルテ>(強く)の意味と同じく、弱い音から強い音を表現できることから「ピアノフォルテ」となり、現代では名前が簡略化されて「ピアノ」になりました。


問6

ちょっと後半の選択肢がわかりにくかったかもしれませんが、

イタリア語 Do(ド) - Re(レ) - Mi(ミ) - Fa(ファ) - Sol(ソ <ソル>) - Ra(ラ) - Si(シ) - Do(ド)
日本語 ハ - ニ - ホ - へ - ト - イ - ロ - ハ
ドイツ語 C(ツェー) - D(デー) - E(エー) - F(エフ) - G(ゲー) - A(アー) - H(ハー) - C(ツェー)
英語 C(シー) - D(ディー) - E(イー) - F(エフ) - G(ジー) - A(エー) - B(ビー) - C(シー)

楽譜に書かれている記号の多くはイタリア語ですが、指揮者や指導者が指示するときの音名はドイツ語を使用しているなど、音楽用語は多言語文化ですね。

音楽業界用語でよく使われる、”ツェーマンゲーセン”はドイツ音名由来で”1万5千円”です。


問7

おそらく”金管楽器”経験者は「息を吹き込んで管内をあたためる」と回答した方が多いのではないでしょうか。ピッコロ、クラリネット、オーボエ、ファゴット経験者はお分かりかと思いますが、冬場になると顧問の先生や先輩から、耳が痛くなるほど注意されます。

”木管楽器”割れの原因の多くは”湿度による管体内外の膨張率の差”です。人から吐く息は、水分を多く含んでいるため実はキケンなのです。順序としては「手やふところに入れて、ゆっくりあたためる」 ⇒ 「息を吹き込んで管内をあたためる」が正解です。

筆者が大学生の時には、冬休みに山梨県河口湖町で毎年合宿がありました。8時半から始まる朝練も、まだ太陽が昇り切っておらず非常に寒かったのを覚えています。そんな中、同期のクラリネット吹きが、非常に寒がりだったので石油ストーブの前で練習を始めてしまい、、、、、数分後「ピシっ」と悲劇の音が聞こえてきたことがありました。くれぐれもストーブなどの暖房器具に近づけないようにしてください。


問8

「D.S.」は、Google検索すると沢山ヒットする某携帯ゲーム機ではありません。「ダルセーニョ」といって「セーニョ記号」($の両端に・を付けた記号)まで戻る指示記号です。「Fine」はファインではなくフィーネ。イタリア語で”楽曲の最後”を意味します。




問9

おなかを(①)るようにして、(②)からゆっくり息を吸い込みます。 そしておなかを(③)るようにして(④)からゆっくり息を吐き出します。

この問題も非常に正解率が高い問題でした。

腹式呼吸はダイエット効果もあると言われています。楽器の練習よりも腹式呼吸にハマった人たちは腹式呼吸練習器具を使い、ハードなトレーニングを始めます。


問10

真っ黒なので、エボニー(黒檀)と勘違いした方も、多いのではないでしょうか。クラリネットやオーボエを見る限り真っ黒ですが、多くのグラナディラの色は”黒に近い茶褐色”が殆どで、実は皆さんの楽器に使われているグラナディラの多くは塗料で黒く染められているのです。

アフリカ原産のグラナディラは現在、自然種の枯渇が危惧されており純絶滅危惧種に指定されている貴重な材料となっています。


問11

ギリシャ語の「よく響く音」という意味の言葉を語源に持つように、豊かでやわらかい音が最大の特徴の楽器を選びなさいとの設問でした。

正解は「ユーフォニアム」です。ギリシャ語で「よく響く」や「心地良い」というような意味の単語「ユーフォニア(euphonia)」が語源です。このユーフォニアムもサックスの発明者である「アドルフ・サックス」が発明したサクソルン属の楽器のひとつで、その後イギリスで改良されて現在のユーフォニアムとして完成しました。トロンボーンやトランペットに比べると比較的新しい楽器になります。

吹奏楽部や楽団内では、名前が長いので親しみを込めて「ユーフォ」と呼びます。

※吹奏楽部検定では「ユーフォニ”ウ”ム」と記載していましたが、「ユーフォニウム」「ユーフォニューム」いずれも間違った呼び方ではなく、昔から使用されている名称です。近年アニメ化された小説のタイトルで使用されている名称が「ユーフォニアム」だったこともあり、一般的に正しい名称として認識が広まりました。また、本場英国の発音では「ニアム」が正しいそうです。同記事内でも「ユーフォニアム」と記載しています。


問12

●第(①)の幸福をもたらす宿/アーノルド、●ラッキードラゴン ~第(②)福竜丸の記憶~/福島弘和、●マリアの(③)つの悲しみ/樽屋雅徳

筆者はこの曲を知らなかったので一番難しいと感じた問題でした。第5福竜丸だけは知っていたので選択肢は1番上か下に絞られましたが、あとは経験と勘です。そう、キリスト教関連で数字の「7」が使われることが多い。例えば「天地創造が7日間で行われた」、「7つの大罪」、「ドレミ~ の7音階もグレゴリオ聖歌が起源」。ということは「マリアの7つの悲しみ」が正解ではないかと推測して回答しました。


問13

チャイコフスキーの知る人ぞ知る名曲「1812年」序曲です。曲のクライマックスに大砲(cannon)が指定されています。

実際の演奏会では、常識的に考えて本物の大砲を用意することはできないので「バスドラム」3台で代用します。通常のチューニングだと大砲のように響く音にならないため、打面裏側を少し緩くチューニングして、マレットは少し硬めのものを使います。そして3台を一気に鳴らすことで大砲に近い爆音を轟かせます。

遠くからなる大砲音は舞台裏から鳴らしたり、演奏中にバスドラムを客席後方にこっそり用意してサプライズを仕掛けるなど、演奏会場にあわせて工夫したりします。


問14

イエローブラス(銅70%+亜鉛30%)が正解です。身近にあるもので5円玉硬貨が近い素材で作られています。ゴールドブラス(銅85%+亜鉛15%)は名前に”ゴールド”とありますが、純金は含んでいません。レッドブラス(銅90%+亜鉛10%)は、銅の比率が高くより赤い色味が増します。

部活で使っている楽器の色はシルバーなのに、素材はイエローブラスなの?など疑問に思うかもしれませんが、実は塗装の違いです。”クリアラッカー(CL)”で塗装している場合は、それぞれの素材の色が反映されます。クリアラッカーに赤や黄色の塗料を混ぜてより金メッキに近いカラーが”ゴールドラッカー(GL)”。銀メッキをかけたものを”銀メッキ仕上げ(SP)”または”シルバープレート”、金メッキをかけたものを”ゴールドプレート(GP)”と呼びます。

管体に使われる”素材”と”塗装”でも音色が変わってくるので、楽器を購入する際には”素材”と”塗装”の違いを吹き比べてみてください。


問15

A dur(アードゥア)は、日本語で「イ長調」、英語でA major(エーメジャー)。ト音記号の場合、♯(シャープ)3つはファ・ド・ソにつきます。よくある音階の覚え方としては「全全半全全全半」(「君の名は」ではありません)と覚えます。全とは次の音階との差を全音、半とは次の音階との差が半音になります。

ちなみに短調の場合はmoll(モル)となりA moll(アーモル)、日本語で「イ短調」、英語でA minor(エーマイナー)、音階の並びは「全半全全半全全」になります。


つたない解説でしたが、いかがでしたか?もっと知識を深めたい方は以下の本がおススメです。

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